034: Interior

P-144 in Papillon Bldg

食と文化で人をつなぐ新たなコミュニティ拠点『P-144(ピーイチヨンヨン)』。
誰もが自分らしく羽を広げられる、池袋のオアシス的存在に。

池袋東口のPAPILLON BLDG.(パピヨンビル)に、2023年3月1日、複合施設『P-144(ピーイチヨンヨン)』がオープン。これはサンシャインシティが運営する池袋の新たなコミュニティ拠点となる施設で、サンシャインシティとgood mornings 株式会社によるプロジェクトだ。『P-144』の名称は、PAPILLON BLDG.の頭文字と、ビルの所在地「東池袋1-4-4」に由来している。環境負荷の軽減のため、築60年のビルを5階建から3階建への減築工事をすることで、耐震性を確保したリノベーションを行なった。

PAPILLON BLDG.の名称は、新たなコミュニティ拠点に集う人を「羽を開くパピヨン(フランス語で蝶や蛾を意味)」に例えたことに由来。あらゆる肩書きから解放されて自分らしく羽を広げられるように、という願いが込められている。
1Fのパブスペースでは6種類のオリジナルクラフトビールが飲めるほか、ランチは薬膳カレーを軸に魯肉飯、麺類とメニューも充実。既に、多くの人々が集うコミュニティスペースとして機能している。2Fに上がる途中に現れる踊り場には、小さな展示スペースも。窓から1Fのパブを見下ろせる不思議な空間だ。

2Fのパブスペースに並ぶ椅子は背もたれが丸く縁取られ、空間にリズムをもたらす特徴的なデザインとなっている。この椅子の座面に、Ultrasuede®︎を使用。木の無垢の素材感とスエードの質感がなじみ、PAPILLON BLDG.の持つ空間の柔らかさを象徴するような存在となった。壁側のソファにも、さりげなくUltrasuede®︎を採用。統一感のある空間づくりにひと役買っている。

また3Fのイベントスペース『GARDEN』は、POP UP ストア、トークショーや展示会など多種多様なイベントの受け皿として今後発展していく予定だ。取材時は、PAPILLON BLDG.のコンセプトが表現されたオリジナルコースターとビールが展示されていた。

そして、地下には予約制のプライベートルームを完備。分割できるオーバル型のテーブルを囲うように、スクエアのクッションスツールとベンチが鎮座している。この座面にも、Ultrasuede®︎が採用された。壁面のグレートーンとピンクベージュの素材が呼応し、調和している。

商業ビルが立ち並び視覚的な情報が溢れかえる街に、突如として現れるPAPILLON BLDG.はこの街のオアシス的なスポットとして異彩を放っている。今後インバウンドを含めた街のコミュニティスポットとして、より注目されていくことだろう。


Creator

株式会社サンシャインシティ 倉林真弓

主に豊島区・池袋にある、水族館・展望台・劇場・オフィスビルなどを有した都市型複合施設サンシャインシティを運営している。2020年より池袋のまちの魅力向上を目的とし、まちづくりに参画

good mornings 株式会社 代表取締役 水代 優

2002年より株式会社 IDEE にてカフェやカルチャー、ライフスタイル系コンテンツを盛込むコミュニティプレイス等の新規出店を数多く手掛け、2012 年にgood mornings 株式会社を設立。東京・丸の内や日本橋を始め、全国各地で「場づくり」を行い、地域の課題解決や付加価値を高めるプロジェクトを数多く手掛ける。「食」や「カルチャー」を軸にしたクリエイティブな空間の企画運営やメディア制作を得意とし、現在は都内に各々のコンセプトを有する3拠点を企画運営、その他企業や行政と共にエリアプロデュースやプロダクトディレクションを手掛ける

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