030: Interior

NIB WORKSPACE by
MIDORI.so

人々が行き交うコワーキングスペース『NIB』内に、
静寂で包み込んでくれる繭のようなテレワークスペースが誕生

新しい渋谷の街を作る実験型コワーキングスペース『NIB WORKSPACE by MIDORI.so』(Neutral Innovation Space)が、東急不動産主導のもと、2022年4月にオープンした。

大規模な再開発が進む渋谷。NIB は2023年度に竣工予定の、渋谷駅桜丘口の目の前に位置する。駅の開業と同時に誕生する大規模商業・オフィス施設との連携を行いながら、将来の再開発に向けた実験フィールドとして、働く・遊ぶ・暮らすに関わる多様な企画やコンテンツを投入していく計画だ。

空間の設計、施工を手掛けたのは、東急リデザイン。インテリアデザイン監修・アートキュレーションは、これまで数々の家具設計やギャラリースペースなどの企画を手掛けてきた佐々木達也が担当し、既存のみどり荘の世界観をアップデートさせた。

NIB は、3Fと4~6Fの全4フロアで構成。3Fには、偶然の出会いや他愛の無い会話を生み出すためのコミュニティスペースとして機能するラウンジを配置した。イベント利用も可能で、TALKING Ultrasuede®️でも特集されたTakigahara Farmと組んだフードイベントも定期的に開催している。

4~6Fはワークスペース。固定席、1人ブース、グループブース、ミーティングルームなど、さまざまな形態の作業場を用意している。企業、個人を問わず入居が可能で、web3業界の起業家やDAOプロジェクト参加者、NFTアーティストのほか、web3に興味関心を持つ人をターゲットとしたシェアオフィス『Crypt Base』もNIB内に立ち上がっている。

また、3Fラウンジには、テレワークスペースとして、壁にUltrasuede®️を使用した特別なテレフォンブースを設置。名古屋工業大学北川啓介研究室と株式会社LIFULLとの共同研究にて実施され、アイデアから施工まで一貫して学生が参画した。

ベースとなる防音断熱効果のある発泡素材を20cm単位で切りだし、Ultrasuede®️で繋ぎ止めることにより、蛇腹のような外壁と扉がシームレスに繋がるデザインに。空間の家具やアートに調和する形で、オレンジとグリーンの上品なカラーリングの素材が選ばれた。

中には人ひとりが入れる最小限のワークスペースが備わっており、蛇腹状の扉を閉めると静寂に包まれる。モニター会議や電話などの、集中したいときに最適だ。Ultrasuede®️がスペースを優しく包み込むため、メンバーは「まるで繭(コクーン)のようだ」と評価している。

人が交差するラウンジで、Ultrasuede®️に包み込まれる体験はNIBならでは。コワーキングスペースのなかで自分自身をチューニングする、大切な空間になってくれるだろう。


Creator

北川啓介

株式会社LIFULL ArchiTech(名工大発ベンチャー) 代表取締役社長
名古屋工業大学大学院工学研究科 教授

1999年 米国ニューヨークのReiser+Umemoto建築設計事務所にて建築設計に従事。
2017年 米国プリンストン大学客員研究員。
2018年 名古屋工業大学大学院工学研究科教授に就任。
現在 約20年の国内外での建築設計や建築教育の経験を経て、知財をもとにした未来志向の建築や都市を考案し、実用化した上での事業化を推進。

Material