029: Interior

HOME PLANET

「食」を通じてクリエイションを提供する『HOME PLANET』がオープン。
その日の気分や偶然性を大切にした、体にやさしい料理を、吉祥寺から。

2020年11月、感度の高い人が集まる街・吉祥寺駅近くに、カフェバー『HOME PLANET』がオープンした。決まったレシピはなく、総勢15名のシェフが日替わりで料理を作る。大切にしているのは、“気分”や“偶然性”。その日一番いい状態の食材や、気温や天候、食べた人にどんな気持ちになってもらいたいか、などを総合的に見て、メニューのアイデアを出していく。

食べておいしいのはもちろんのこと、心がけているのは、体にやさしく元気になれるということ。野菜をふんだんに使ったお酒のつまみも多く、ナチュラルワインとの相性も抜群だ。

オーナーの近藤ジョージ氏は、イベント企画や空間デザインの領域で活躍するクリエイティブディレクター。音楽レーベル『FABIENNE』も主宰している。その豊富な経験と人脈を生かし、HOME PLANETにはミュージシャンや映像作家、アーティストなどが多数所属。料理をアートとしてとらえ、和食に使われる食材を洋風にアレンジしたり、レアな食材を取り入れたりと、クリエイティブな要素も満載だ。訪れるたびに、新鮮な驚きがある。

また「レストランの形態にとらわれず、もっと自由な形で飲食の場を」という思いのもと、カフェ・バーだけでなく、角打ち、生活用品を揃えた小さなスーパーなど、吉祥寺の食を通したカルチャーアンテナショップとしても機能している。

HOME PLANETには多くのアーティストやミュージシャンが出入りし、予定になかったDJイベントやライブが始まることもあるという。そんな、彼らの感性に触れられるスペースに使われているのが、Ultrasuede®️である。

バーカウンター下を利用して作られた本棚にはアーティストがセレクトした本、レコードの販売棚にはミュージシャンの楽曲作品が並ぶ。それぞれの棚内部には温かみのあるサーモンピンクや、落ち着いたロータスグリーンのUltrasuede®️を配置し、インテリアとの調和を図った。またアーティストの選曲が流れるスピーカーや、ターンテーブルのスリップマットにもUltrasuede®️が採用されている。

持ち寄られる本や音楽は常に変化するため、店内の印象も日ごとに変わる。「食」「カルチャー」「訪れる人」が生み出す予測不能なハーモニーを、柔らかに受け止めてくれるUltrasuede®️。脇役的でありながら、大きな存在感を醸しているといえるだろう。


Creator

近藤ジョージ(utoLtd. 代表)

1985年東京生まれ。成蹊大学卒業。
2013年にuto Ltd.を設立。
同じ時を過ごす人類は、それぞれ別の時間軸を生きていると考え、空間における時間の流れをテーマに、アートとデザインの力で今生まれ続けている一瞬が人の心を豊かにし、未来に夢がもてる方法を探求している。
企画や制作案件は、イベント・空間デザイン・グラフィックデザイン・食・音楽・都市開発と多岐にわたる。

http://uto.tokyo/
https://www.homeplanet.shop/

Material