026: Product

HERBBY

新しい時代の
アップサイクルフラワーベース
『HERBBY』

毎年、衣服を作るために生み出される大量の生地。しかし衣服になるのはそのうちわずか15%で、残りは焼却・埋め立て処分されている。その量、世界で年間500万トン。本来利用可能なものがゴミとして扱われることで、自然環境や労働者にも多くの負荷がかかっているという。

そこで誕生したのが、処分される前の生地をグラスやペットボトルに被せて、フラワーベースとして再利用する”THE UPYCYCLED FLOWER VASE”だ。生地の特性を生かしながら、1点1点、ていねいに手作業で制作。使用しないときは畳めるので、保管場所にも困らない。

このフラワーベースをはじめとする、新しいライフスタイルを提案するプロダクトブランド『HERBBY(ハービー)』が、心斎橋PARCO SkiiMa ギャラリーにて初のエキシビションを開催した。ギャラリー壁面には、現代アーティストである平山昌尚氏のシルクスクリーン作品が展示され、『HERBBY』の持つ世界観を拡張。また、フラワーベースに花師であるヤンショー氏が摘んだ野花を生けることで、シェアオフィス全体に彩りも加わった。

この『HERBBY』を手掛けた八木沢氏は、若手写真家の登竜門である写真アワード『Japan Photo Award』を主催すると同時に、MM/Parisやdisなど新進気鋭のアーティストたちとコラボレーションを続けているバッグブランド『TOSHIKI』を展開する多彩な人物である。

アップサイクルと謳われるプロダクトが氾濫し、デザイン性や思想の洗練さに欠けるモノが多い印象を受けるなかで、彼が提案する『HERBBY』のプロダクトはファッション産業が抱える問題をストーリーとして伝え、日常的に溢れかえるペットボトルという存在を美しく文化的な生活に昇華させている。新しい視点を獲得するきっかけとなる存在ともいえるだろう。

今回、フラワーベースのデザインアクセントとして使用したUltrasuede®HPは、2010年から資源回収システムによるポリマー製造工程を導入するなど、環境への負荷低減に向けた取り組みを進めている。『HERBBY』が持つストーリーとも親和性の高いコラボレーションが実現した。

https://herbby.studio にて購入も可能である。未来を新しい視点で再構築する画期的なプロダクトとして、『HERBBY』の存在はこれからますます目が離せないものとなった。


Creator

HERBBY

八木沢俊樹が手掛けるアップサイクルフラワーベースカバー
2020年にスタートしたHERBBYは、エコロジカルな視点や、ヴィーガニズムの思想を元に、花に関わるプロダクトや食品のプロデュースを手掛けている。

https://herbby.studio

TOSHIKI

日本人デザイナー八木沢俊樹によるバッグブランド。エムエムパリス(M/M)とのコラボや、JW アンダーソンの直営店で発売するなど多くの注目を集めている。そのほか、独特なタッチのドローイングが人気のアーティスト、平山昌尚とのコラボレーショングッズなども発表している。

https://www.toshiki-japan.com/

Material