台湾のジュエリーブランド「Vacanza Accessory」は、日本市場への進出を果たすべく、全国に向けたPOP UPショップを展開する。これを機に、日本中のジュエリー愛好者たちに向けて、Vacanzaの魅力を広めることを狙っている。
039: Interior
「日常に休暇を——Vacanzaが提案する新しいライフスタイル」
台湾のジュエリーブランド「Vacanza Accessory」は、日本市場への進出を果たすべく、全国に向けたPOP UPショップを展開する。これを機に、日本中のジュエリー愛好者たちに向けて、Vacanzaの魅力を広めることを狙っている。
ブランド名「Vacanza」は、イタリア語で「休暇」を意味する。このネーミングには、アクセサリーを選ぶ瞬間に感じる喜びが反映されている。日々の忙しさに追われる現代において、小さな幸福は忘れ去られがちであるが、Vacanzaはこの小さな幸せが日常の中で持続することを願っている。「アクセサリーを身につけることで、日常がまるで休暇のように変わる」——そんなブランドメッセージが込められている。
Vacanzaにとって、アクセサリーとは「日常から休日へとライフスイッチを切り替える存在」である。このコンセプトを具現化するために、今回のPOP UPでは、訪れる人々の五感に直接訴えかける体験を提供することを目指した。そのため、単にジュエリーを展示するだけでなく、素材の選定から空間のデザインに至るまで、細部にわたって緻密に計画されている。
この空間を手掛けたのは、デザインスタジオ「STUDIO DIG.」だ。STUDIO DIG.は、細部にまでこだわり抜いたデザインと、素材の特性を最大限に活かす巧みな空間作りに定評があるチームである。彼らのデザインは、常にシンプルさと洗練を追求し、無駄を排除しつつも、機能性と美しさが調和する空間を生み出すのが特徴だ。STUDIO DIG.の手がける空間は、視覚だけでなく、触覚や聴覚といった他の感覚にも配慮された設計がなされており、訪れる者に強い印象を残す。
今回のPOP UPも、STUDIO DIG.のその美意識が反映された空間となっている。最も重要なミッションは、何よりもまず日本の消費者にVacanzaの存在を認知してもらうことにある。POP UPスペースがしばしば多様な素材や要素で溢れる中で、Vacanzaはあえて厳選された素材のみを使用することで、逆に異彩を放つ表現を追求した。結果として、シンプルかつ洗練された什器デザインが生まれ、それにより商品そのものが際立つ構成となっている。
この彫刻的でユニークな什器は、Vacanzaのキャラクターを反映しており、来場者にフレンドリーで親しみやすい印象を与える。一方で、ジュエリーを扱う上で必要不可欠な上質さと丁寧な配慮も施されている。このバランスを取ることで、誰にでもオープンでありながら、高級感と信頼性を感じさせる空間が実現されている。
STUDIO DIG. 米山 宏介
–現代のニーズに合った空間、その空間を表現する上質な素材に重きを置く。
クライアントのアイデンティティーを表現するため、
一般的にあまり使われることのないオリジナルな素材を掘り起こし具現化している。
大事にしているのは「掘る」= DIGというアナログな作業。
直接物事に触れた時のリアルな感覚が、インスピレーションに変わっていく。