033: Interior

DAIFUKU MIDORI.so

九州初・MIDORI.soのCO-WORKING施設『DAIFUKU MIDORI.so』。
街に開かれた新空間が、入居者のクリエイティビティを刺激する。

九州初となるMIDORI.soのシェアオフィス『DAIFUKU MIDORI.so』が、2022年9月中旬に福岡市にオープンした。福岡市長が「スタートアップ都市ふくおか」を宣言した2012年以来、先進的なスタートアップ支援に取り組む都市として国内外から注目を集めてきた福岡市。市長の宣言からちょうど10年を迎えた今年、街とワーカー、アジアと福岡と東京を繋ぐスタートアップやベンチャー企業に向け、新たなCO-WORKING施設として誕生した。

5階建の一棟を、まるごとリノベーション。カフェ&ライフスタイルストアやギャラリーを備え、街に開かれたCO-WORKING施設となっている。建築設計を手掛けたのは、福岡を代表する2人の若手建築家である中尾彰宏氏と宗像友昭氏。既存の建物が持つ良さを活かしつつ、斬新な素材使いと色使いにより今までにない空間を作り上げた。

1Fには、新業態のカフェ『PPP(Parkside/People/Party)』がオープン。世界トップ10ロースターにも選ばれたニュージーランド発『Coffee Supreme』や、日本橋兜町のスウェーデン発祥『SR』のコーヒーを提供するほか、ロサンゼルス発のフレグランスブランド『P.F.Candle Co. 』や、世界のクラフトブランドを扱う『CIRCLE&LINE』、食の多様な嗜好に応えるやさしいヴィーガンアメリカン・クッキーが人気の『ovgo Baker』など、豪華チームがタッグを組んだ。

2Fは、天井をRに仕上げたスペーシーなギャラリースペース。数あるギャラリーの枠組みを超えて東京や海外のサテライトギャラリーとしても機能しており、自主企画以外に巡回展なども受け入れている。そして、3Fから5Fはオフィススペース。各階のエレベーター前には『MIDORI.so GALLERY』のキュレーターがセレクトしたアートがディスプレイされるなど、細部にまでMIDORI.soの個性が現れている。

そんな多様性に富んだこの建物の1Fエレベーターホール壁面に、Ultrasuede®️を導入。壁面の大理石にスエードの上品な質感が加わることで、より洗練された印象に生まれ変わった。カフェからオフィススペースへ移動する人が、マインドをオフからオンに切り替えるための空間としても機能している。

アジアのハブとして、ますます注目される福岡。さまざまな人が『DAIFUKU MIDORI.so』を拠点に行き交うことで、また新たな熱いシーンが生まれるだろう。


Creator

中尾 彰宏

建築デザイナー
STUDIO MOVE 代表取締役
based in Fukuoka/Hiroshima
福岡と広島を拠点とした設計・企画・編集の会社。
@move_builds
2020-北九州市立大学非常勤講師

宗像友昭

1982年鹿児島県出身。2003年都城工業高等専門学校建築学科卒業。2005年ふくおかデザイン専門学校環境デザイン学科卒業。2006年デザインニコ一級建築士事務所勤務(-2009)。2011年リズムデザイン一級建築士事務所勤務(-2012)。2012年design office TERMINAL一級建築士事務所を設立。

Material