025: Interior

SkiiMa

心斎橋PARCOから発信。
新しい時代の働き方をサポートするSkiiMaオフィス。

2020年に開業した、大阪・心斎橋の『心斎橋PARCO』4階フロアに、PARCO初となる試みであるCO-WORKING SPACE『SkiiMa(スキーマ)』がオープンした。

働くことは、究極の自己表現。自分自身は何が「好き」で、何を拠り所にして生きていくのかは人生最大の問いだ。『SkiiMa』は、この「好き」という気持ちに向き合い、「好き」なことを仕事にしている人たちが集える場所として生まれた。

エントランスをくぐるとまず目の前に広がるのは、展覧会やPOP UP SHOPなどが開催できるギャラリースペース。奥には開放感のあるラウンジがゲストを迎える。このエリアが、利用者とつながることのできる場所だ。

ラウンジの家具はジャスパー・モリソン作のプロダクト中心にセレクトされ、フリーデスクのテーブルトップは通常使用される化粧板の裏面をあえて使用。デザインギミックとしては面白い仕掛けで、今までにない仕上がりを見せた。

さらに注目すべきは、コレクションブースだ。これは大阪に所縁のある人たちの趣味が凝縮された4つの棚である。

『大衆スタンド園田』『台風飯店』など、若者からの支持が高い飲食店オーナーの園田氏。新世界から新しいカルチャーを発信し続けているギャラリー『voyage kids』の坂本氏。そして別名義『chewiie shop』として、アメリカのビンテージの人形や7inchレコードを取り扱うDJ/ミュージシャンのhalfby氏など、参加者はバラエティに富んでいる。

みどり荘ギャラリー / 渋谷PARCOでも話題になった、手乗りサイズの小物をセレクトする女性チーム『物百』など、大阪のカルチャーシーンを牽引する旬の人物たちがコレクションを展開。コレクションブース内で気になったアイテムは、オンライン上でも購入できる。

今回設計デザインを担当した『Phyle』は、各コレクションが映えるように棚の背面すべてにUltrasuede®を配置。素材の上質さにより、どんな質感のアイテムでも違和感なく溶け込む空間となった。またプライベートデスク正面にも、空間のトーンに合わせたUltrasuede®を採用。働くメンバーを、やさしいテクスチャーで包み込んでいる。

『SkiiMa』はメンバーのみではなく、PARCO内部で働いている人も利用可能だ。PARCO自体がモデルケースとなり、新しい働き方を推進しているところも、この場所の魅力のひとつとなっている。

PARCOとして、新しい試みでもあるシェアオフィス。その空間の隙間に採用されているUltrasuede®が、各人の『好き』と『好き』の間を埋めてくれる存在として機能しているのかもしれない。


Creator

phyle

設計・デザイン・施工をトータルでプロデュースする2人組みユニット。B.P TOKYOという名で、ハンドメイドブランドも展開。マテリアルに造詣が深く職人と組んで現場に合わせて新しい什器も製作している。デザインとクラフトマンシップの領域を跨ぎながらも常に挑戦し続ける姿勢が評価され今回のホテルレセプションの空間デザインチームに抜擢された。

http://www.phyle-inc.com
http://www.bptokyo.com

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