1本のスチールパイプがアームから背もたれ、座面の下まで美しい曲線を描くマンダリンチェア。そのカラーリングとファブリックとの組み合わせが、選ぶ人の個性を表すようなチェアである。
これをデザインしたのは、80年代に多国籍デザイナー集団「メンフィス」を結成したイタリアのデザイナー、エットレ・ソットサス。彼の作風である、独創的な色使いと幾何学的なデザインに惚れ込むファンは今なお多い。
今回そのマンダリンチェアの座面の張り替えに挑んだのが、テキスタイルデザイナー、藤澤ゆき氏だ。Ultrasuede®の豊富なカラーバリエーションを活かしながら、メンフィスの特徴であるドットやボーダーの幾何図形を再解釈。彼女のブランド「YUKI FUJISAWA」のシグネチャーである、レースや箔のモチーフに置き換えてデザインしている。