041: Interior

Mobile SS Hinohara

ワーケーションしながら充電し、「働く」と「遊ぶ」を自由に行き来する。
移動式充電スタンド『MOBILE SS』で、EVをもっと身近に。

世界的にEVシフトが進むなか、日本の場合はまだガソリン車が優勢だ。理由のひとつは、充電スタンドが少ないことにある。充電1回あたりの航続距離を考えれば、街乗り程度なら十分だが、やはり長距離移動となると不安を抱く人が多いのかもしれない。また、充電時間がガソリンの給油に比べて長いというのも懸念事項のひとつだ。

そこで、アイデアと発想で「eモビリティが身近な存在になるように」と、移動式の充電スタンドを企画したのが、オンラインモーターマガジン『DRIVETHRU』ディレクターの神保匠吾氏だ。
その名も『MOBILE SS』。従来のガソリンスタンドを意味するSS=サービスステーションの次なる姿を目指し、“サスティナブル・ステーション”と命名した。SS自体が移動できれば、どこでもエネルギー供給が可能となる。

MOBILE SS第一弾の舞台は、東京都唯一の村である檜原村。クリエイティブなオフィス空間を数多く手がける『TRAIL HEADS』が移動型オフィスとして使用しているキャンピングトレーラー『OFFICE CARAVAN』に、ソーラーパネルと大容量リチウムイオンバッテリーを搭載し、200VのEV普通充電を可能にした。

この移動式充電スタンド『MOBILE SS HINOHARA(モバイルSS・ヒノハラ)』を、会員制コワーキングスペース『Village Hinohara』の敷地内に開設。TRAIL HEADSの代表・山口陽平氏は「トレーラーだからといって、自由に旅をする空気というより、仕事に集中できることを大切にしてシンプルな内装を心がけた」と話す。

働く場所を考えるときには、ファブリックの触り心地やクッション性などの細かい点も重要である。そこで、ソファーの座面にUltrasuede®を採用。自然の風景になじむ、落ち着いたカラーを選択した。

「Ultrasuede®の質感と色味は、“働く↔︎遊ぶ”を横断するのにバランスがいい」と山口氏。名作折りたたみ椅子であるニーチェアの座面も同じくUltrasuede®で統一し、外でキャンプワークする際にもトレーラーの内装と素材がリンクするようにした。

自然豊かな環境のなかでワーケーションしながら、EVの充電時間を有意義に、そして快適に使う。仕事と遊びをバランスよく行き来するライフスタイルが、これからの主流になるかもしれない。


Creator

神保匠吾

福岡県福岡市出身。 福岡大学法学部卒。卒業後、 UK発のカーマガジン「INTERSECTION」に入社すべくロンドンへ留学。 留学時に映像編集およびグラフィックデザインを習得。INTESECTION JAPAN創刊のため日本へ帰国。 発行元であるカエルム株式会社へ入社。 2014年オンライン・モーターマガジン「DRIVETHRU(ドライブスルー)」を立ち上げ、現在に至る。

DRIVE THRU

プロジェクトベースのオンライン・モーター・マガジン。実際にオーダーすることのできる車やバイクをはじめ、様々なモビリティーを多数ラインナップ。“移動”をテーマに、クリエイティブなモビリティーライフを発信している。

http://drivethru.jp

TRAIL HEADS,Inc.

スタートアップ企業のオフィスや商業空間など、ジャンルを超えて様々なクリエイター達と空間プロデュースを行う集団。
また都市だけではなく、移動式モバイルオフィスの『OFFICE CARAVAN』を牽引しながら山や海でのイベントも企画している。

http://trailheads.jp/

Material