042: Interior

asumise

日本のものづくりに触れ、文化を深く知ることのできる体験型ストア
『明日見世』は、モノを「買う」場所から、モノと「出会う」場所へ。

2024年9月18日、東京駅直結の大丸東京店9階に、『明日見世』がリニューアルオープンした。
明日見世とは、モノを「買う」から、モノと「出会う」に価値観をシフトさせた体験型ストア。大丸東京店4階から9階へと移転し、スペースをこれまでの4倍に拡張して、より多くのモノやコトと出会える場へと生まれ変わった。

約3か月ごとに展示ブランドが入れ替わるため、訪れるたびに新鮮な驚きがある。たとえば、柔道着を生地織りから生産するメーカーが手がけるアパレルブランド『kusakura sashiko』の刺子生地は、丈夫でありながら柔らかく心地よい。また特殊な技術を使い、純チタンの塊を削り出して作られた酒器『hikiZAN』は鉱石のような美しさで、どれも表情が異なる一点ものである。

ショールーミングスペースで商品に触れ、その背景を知り、実際に試すことで、より納得して買い物をしてもらえるという設計だ。気に入ったら二次元バーコードからブランドのECサイトで注文できる。一部商品はその場で購入も可能だ。

リニューアルにあたり空間デザインを手掛けたのは、シンプルながらも上質な空間の提供を得意とする『PHYLE』。やさしい曲線を活かしたディスプレイが、プロダクトの魅力を引き立てている。

特に注目すべきは、共用ラウンジのソファに採用されたUltrasuede®️。そのなめらかな肌触りは訪れた人を魅了し、オープン直後から次々と席が埋まるほどの人気だ。窓に映り込んだネオンの光と調和し、都会的で洗練された雰囲気を生み出している。

小売店の枠を超え、日本のものづくり文化を体験し、発信する場へと進化した『明日見世』。モノを買うという行動を促すのではなく、本物を見ることで自分の価値観をアップデートできる場として、これからも進化し続ける。


Creator

phyle

設計・デザイン・施工をトータルでプロデュースする2人組みユニット。
B.P TOKYOという名で、ハンドメイドブランドも展開。
マテリアルに造詣が深く職人と組んで現場に合わせて新しい什器も製作している。
デザインとクラフトマンシップの領域を跨ぎながらも常に挑戦し続ける姿勢が評価され今回の
ホテルレセプションの空間デザインチームに抜擢された。

phyle

B.P TOKYO

Material