013: Product

YUKI FUJISAWA
NEW VINTAGE PROJECT

80年代と、現代のデザインのコラボレーション。
実験的手法により、ビンテージチェアに新たな表情が加わる。

1本のスチールパイプがアームから背もたれ、座面の下まで美しい曲線を描くマンダリンチェア。そのカラーリングとファブリックとの組み合わせが、選ぶ人の個性を表すようなチェアである。

これをデザインしたのは、80年代に多国籍デザイナー集団「メンフィス」を結成したイタリアのデザイナー、エットレ・ソットサス。彼の作風である、独創的な色使いと幾何学的なデザインに惚れ込むファンは今なお多い。

今回そのマンダリンチェアの座面の張り替えに挑んだのが、テキスタイルデザイナー、藤澤ゆき氏だ。ultrasuede®の豊富なカラーバリエーションを活かしながら、メンフィスの特徴であるドットやボーダーの幾何図形を再解釈。彼女のブランド「YUKI FUJISAWA」のシグネチャーである、レースや箔のモチーフに置き換えてデザインしている。

特に3脚手がけたうちのひとつ、オレンジ×ブルーのマンダリンチェアは、思い切りのいいメンフィスのカラーリングをイメージしたもの。

ultrasuede®にレースを載せ、シルクスクリーンの技法を使って印刷することで、レースを剥がしたあとの柄部分にスエードの質感をくっきりと残すことに成功している。

このように実験的な手法も取り入れた3脚は、2017年6月開催のインテリアライフスタイル展に出品された。生地に触れるなどする来場者も多く、ひときわ目を引いていたといえる。

藤澤氏がプロダクトに挑戦するのは、今回が初めて。

色を大切にする彼女にとって、ultrasuede®の発色の美しさ、バリエーションの豊富さは、マンダリンチェアの個性と相まってインスピレーションを掻き立てる大きな要素となったようだ。

「立体になることで、生地のテクスチャーや柄の見え方が平面と異なり、空間に与える影響が多く新鮮だった。アーム素材との組み合わせでバリエーションも無限に出せそうで、今後もこういったビンテージデザイン家具と新しい生地を組み合わせる製品に挑戦したい」と、今後の抱負も語ってくれた。


Creator

YUKI FUJISAWA(ユキ フジサワ)

デザイナー:藤澤ゆき。東京都生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻卒業。 2011年より活動をスタートし2013年よりテキスタイルレーベル・YUKI FUJISAWAとして始動。2016年度TOKYO新人デザイナーファッション大賞受賞。代表作「NEW VINTAGE」はヴィンテージ素材に染や箔を施すことで、単なる古着のリメイクではなく新しい価値をファッションとして高める活動である。企業へのデザイン提供やブランドディレクション、雑誌の表紙衣装を飾るなどテキスタイルを軸に幅広く活躍。

http://yuki-fujisawa.com

Material