024: Product

DRIVETHRU
Vintage Conversion EV

学生時代を共にした
ヴィンテージBMWを電気自動車に

スマートフォン、スマート家電、自動車など、時代の波とともに、各社のスペック競争や量産の効率化によって、スペックはおろか、デザインまでもコモディティ化されつつあるように思える。テクノロジーを生活に取り入れたいが、なかなか自分にフィットするデザインに巡り合わない、なんて人も多いのではないだろうか。オンライン・モーター・マガジン『DRIVETHRU』のディレクター・神保匠吾氏もその1人。自動車業界もテクノロジーが成熟した今だからこそ、未来の乗り物としてワクワクするモビリティを模索していたところ、「愛着のあるクルマに、逆にテクノロジーを取り入れることはできないか」と新しいプロジェクトが立ち上がった。

コンパクトでスポーティーなセダンとしてマニアから絶大な人気を博したBMW 2002。通称“マルニ”の後継として1975年に登場した、初代BMW3シリーズ。軽量かつレスポンスの良いエンジンとシャープなハンドリング。初代は2ドアセダンのみで、丸形のヘッドランプに、力強い逆スラントノーズのデザイン。プレミアムコンパクトセダンの先駆者として礎となったモデルである。

神保氏は、学生時代にアルバイト先の輸入車専門中古車販売店で初代BMW3シリーズに出会った。それ以降、実際の足として学生時代を共にした思い入れのある“相棒”ではあったが、大学卒業後、海外留学の兼ね合いで、抹消登録することに。いつしかレストアすることを夢見て友人のガレージに保管することとなった。
それから10数年の時が経ち。ヴィンテージカーと呼べる相棒を、電気自動車に変える「EVコンバート」に着目し、オリジナルを超える存在として蘇らせようというのだ。

プロジェクト名は、初代BMW3シリーズのコードネームにちなんで“E21”。“E”はElectricを指し“21”は「21世紀にふさわしい乗り物」を示す。今回は、ヴィンテージカーのEVコンバートを専門に手がけるカーショップ『OZ Motors』代表の古川治氏の協力のもと、クルマを我々の“足”としてではなく“相棒”として捉え、よりパーソナルな視点でレストアしていく。

まず外装は、現状のボディの味を活かしたまま板金塗装。内装については、愛用していた頃にオリジナルのヴィンテージ生地のシートをリペアしていたが、だいぶヤレていたため、ヴィンテージの質感に近く、肌触りも優れ、快適なホールド感を味わえるUltrasuede®に着目。

オリジナルの生地と同じくボディ車体の色とマッチする少しくすんだブルーのUltrasuede®は、エイジング加工を施すことで、さらに初代BMW3シリーズに馴染むインテリアに。シートの張り替えに卓越した技術を持つ『イズ・ミー』の泉秀樹氏の手により、アップグレードした内装空間が実現した。

EVにカスタムしたことで「故障の心配がないのがノンストレス。走りが静かで疲れないし、なにより環境に優しい。」と神保氏も満足そうだ。時の流れとともに、社会情勢もライフスタイルも変わっていく。お互い歳を取っても、時代にあったレストアをしながら“相棒”と過ごす時間を特別なものにしたい。


Creator

神保匠吾

福岡県福岡市出身。 福岡大学法学部卒。卒業後、UK発のカーマガジン「INTERSECTION」に入社すべくロンドンへ留学。留学時に映像編集およびグラフィックデザインを習得。INTESECTION JAPAN創刊のため日本へ帰国。発行元であるカエルム株式会社へ入社。2014年オンライン・モーターマガジン「DRIVETHRU(ドライブスルー)」を立ち上げ、現在に至る。

DRIVE THRU
プロジェクトベースのオンライン・モーター・マガジン。実際にオーダーすることのできる車やバイクをはじめ、様々なモビリティーを多数ラインナップ。“移動”をテーマに、クリエイティブなモビリティーライフを発信している。

http://drivethru.jp

Material

※特殊加工のultrasuede®︎を使用しています。